塾の講習で数学は何を勉強すべきか(中1・中2ver)

塾の講習 数学ブログ

長期休暇、各塾にて季節講習を行われているかと思います。

もう2週間もすれば冬期講習の計画を立てる冬期懇談が各塾で開始されるでしょう。

生徒さんが多い個別指導塾なら今週末あたりから開始するところもあるかもしれませんね。

そんな講習授業ですが、数学はどのような授業を行うべきでしょうか?

本日は中1・中2について触れたいと思います。

もちろん生徒1人1人得意不得意、学習環境が違うので、絶対にこうだ!までは言えないですが

何千人の生徒や何百人の先生を見てきた私が、この方が良い!と思う数学の勉強方法をお伝えします。

次の定期テストで点数を取るために必要な単元を勉強する

おススメの講習数学勉強内容とは

ズバリ、次の定期テストで点数を上げるために必要な単元を勉強することです。

数学には各単元において、つながりが強い単元とつながりの比較的薄い(難易度の高い問題でしかつながりにくい)単元がございます。

ご自身の点数が常に高得点で90点を切ることはまずない!という人は以下のつながりを気にせずに自身の苦手な意識があるところのみ復習でOKですが、そうではない人は以下の図のようなつながりを意識することをおススメします。

一部記載を省略していますが、おおむね以下のような学年・学期で各単元を学んでいきます。

これをもとに中2の夏期講習なら何を行うかを考えると、中2の2学期は1次関数と角度(平行線・平面)です。

ここで点数を取ろうと思えば、(矢印を逆にたどり)1年生の計算単元・比例、2年生の連立方程式が土台になるので、ここに躓きがある生徒はしっかりと復習が必要です。

※ちなみに反比例は多くの中学校で2年生ではほとんど出てこないので、復習時間にゆとりがなければ省略してもOKです。

このように夏期講習はおおむね前学期の復習で問題ないのですが、冬期講習はそうとはえません。

例えば中2の冬期講習で考えてみましょう。前学期に習った1次関数が合同証明の問題に大きくかかわるか?と言われるとそうでもありません。

特に3学期のテストが1年の総復習テストのタイプではなく、3学期に習ったことを出すタイプの学校であれば、1次関数をいくら復習しても定期テストでは効果を発揮してくれません

これ悲しいですよね。。。

このように学校によって、復習場所を間違えるとあれだけ講習で頑張ったのに、高いお金を支払ったのに、(定期テストでは)効果が出ないってことがありえるのです。

もちろん実力テストで点数を取れるようになるには、定期テストに直結しなくても復習をすることも大事ですので全く意味がないわけではありません。

しかし部活動や習い事で限られた時間の中で、少しでも高い効果を発揮するのであれば定期テストで点数を取った方が良いでしょう。

何故なら高校受験は内申点+入試当日の点数です。

内申点は何で決まるか?一番はやはり定期テストでしょう。

それに内申点は一度決まれば動きませんが、入試当日の点数は当日の体調次第で学力の何%が発揮できるか不透明です。

だから定期テストにスポットを当てて勉強することをおススメします。

さて話を戻しますが、このようにむやみに前学期を復習することが得策ではありません

他のタイミングでも考えてみましょう。

例えば、中2になるタイミングの春期講習では前学期の図形を復習する必要はほとんどありません。

何故なら中1で習う図形の単元は中2の1学期の単元にほとんど関係がないからです。

となればテスト範囲に中1の復習が入らない限り、復習すべきは中1の3学期ではありません。

中1の1学期です。

中1の1学期が良くできたのであれば、復習をせず、予習をガンガン進めるべきでしょう。

講習でも予習、普通の授業でも予習、何度も何度も同じ範囲を予習することで、次の定期テストに万全な体制で臨むようにしましょう!

お月謝をお支払いする立場からすれば、同じ単元を勉強するのにお月謝が上がるのは抵抗感があるといわれる方もいらっしゃると思います。

しかし勉強は運動と一緒です。

例えばバレーのサーブボール、最初のレッスンで学ぶレベルと2回目のレッスンのレベルは違います。レッスンレベルが上がるということは、その人の能力も上がるということです。

勉強もスポーツも1回・2回のレッスンですべては網羅されません。何度もパターンや難易度を変えて行うことで高いレベルに引き上げることが出来るのです。

なので講習でも予習が出来るタイミングではぜひ講習でも予習をしましょう。

講習=復習と考える塾も多い

ちなみに保護者様たちのお声を聴いていますと『講習=復習』と定義している塾も多いようですが、これは2つの考え方のもとに成り立っているのではないかと考えます。

一つ目:成績を上げる上で必要だから
二つ目:販売をしやすいから

前者は言うまでもありません。私も上記の矢印を使って、復習すべき単元を示しております。

問題は後者の理由です。

上記に書かせて頂きましたが、消費者の立場からすると同じ単元を2度も行うのに料金を支払うことに抵抗があります。そのため、消費者がわかりやすく必要性を訴えることが出来なければ、講習授業自体を受けて頂けないということになってしまうのです。

これだと塾は売上的にも非常につらいわけです。だから講習では予習を提案しないといったこともあり得るのです。

※塾は民間企業ですので売上を考えることは普通のことで悪いことではありません。

よって講習でも予習、通常授業でも予習を提案してくる塾はむしろお子様のことをよく考えて、売上ダウンのリスクも恐れずに成績を上げようとされている塾の可能性が高いと思います。

逆に常に前学期の復習しかして提案をしてこない塾は要注意です。(高得点の生徒は除きます)

特に個別指導の塾では新卒1年目から教室長を行っていることも珍しくありません。

新人教室長は『講習=復習』と学んでいるケースも多いので、復習のみを提案してくることもあるでしょう。

若さだけで判断はできませんが、ご注意ください。

最後に

今回は中1・中2が講習で数学は何をするかについて、お話ししてきました。

もちろん賛否両論あるとは思いますが、定期テストで成績を上げて子供たちに成功体験を積んでもらい、自分はやればできるんだ!と感じてもらえるように指導をしていきたいと思いますし、塾に通っていらっしゃらないお子様も悔いのない勉強にしていただきたいなと心から祈っております。

ちなみに中3の夏期講習からは入試傾向に合わせて勉強することをおススメします。

中3についてはまた別の機会で記事を書かせていただけたらと思います。